
崖っぷちの町工場が、再び走り出すまで
山田製作所のしずかな挑戦
富山の小さな製造会社・山田製作所。
創業約50年の老舗ながら、その歩みは決して平坦ではなかった。
2002年に先代社長から事業承継した山田さんを待ち構えていたのは、まさに「崖っぷち」の会社だった。
再起の鍵は「劇的なV字回復」や「派手な設備投資」ではない。
地味で泥くさい、けれど「たしかな」ものづくりがそこにはあった。

原点は、少年時代の好奇心
社長の山田さんは幼少期から機械いじりに魅了され、とくに自動車の電気配線に夢中だった。
営業職や工場勤務を経て山田製作所に入社。
三菱ふそう向けのトラック用配線を手がけるなかで、ものづくりの現場にのめり込んでいった。
しかし、病気による入院を機に先代社長との関係がこじれ、一度会社を離れる。
その後、電気工事会社で無線基地局や変電所の設営に従事。
現場を転々としながらも、心の奥には「山田製作所」の存在が残っていた。
崖っぷちの事業承継
2002年、再び戻った会社に戻った社長。
しかし、そこには仕事がほとんどなく、社員もわずか。
事業承継は、まさに「崖っぷち」だった。
「何とかしなければ」
――その一心で、富山県内の企業を訪ね歩く日々が始まる。
門前払いを受けながらも、1年半をかけて少しずつ受注を獲得していった。
転機となったのは2009年。
三菱ふそうバスから「制御ボックス」製造の仕事が舞い込む。
しかし、決して簡単な仕事ではなかった。
マニュアルなし、短納期、深夜作業も当たり前。
他社が次々と撤退するなか、「完成形から逆算する」という発想の転換によって、新たな生産体制を構築した。
作業の細分化、改善提案の文化、そして整理整頓の徹底。
地道な取り組みが信頼へとつながり、会社の柱となる事業へと育っていった。


自分のために、働くということ
社長が社員に繰り返し伝えていることがある。
それは、会社のためではなく、自分のために仕事を頑張ってほしい、ということ。
「昨日の自分よりも今日の自分が少しでも前に進んでいることが大切」だと山田社長は語る。
配線一本から始まるものづくり。
完成したバスが街を走る姿は、何にも代えがたい達成感を与えてくれる。
社員もまた、自分の手がけた部品が全国のバスを、人々の暮らしを支えていることに、誇りを感じている。
崖っぷちから這い上がった町工場は、いまも感謝を胸に、しずかに挑戦を続けている。
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会社概要
社名
有限会社 山田製作所
代表取締役
山田 賢治
設立
昭和53年3月1日
資本金
500万円
従業員数
14名(2024年4月現在)
本社
〒930-0275 富山県中新川郡立山町利田2360-1
TEL 076-464-1150 FAX 076-464-1016
事業概要
ハーネス加工、および電装機器の製造、バス車内取付品の表皮張り
登録

ISO9001:2015 認証取得
事業継続力強化計画認定取得
主要取引先
三菱ふそうトラック・バス株式会社
三菱ふそうバス製造株式会社

沿革
昭和53年(1978年)
富山市朝菜町に山田製作所を創業
昭和59年(1984年)
中新川郡立山町利田 日置地区に工場新築し移転操業
昭和63年(1988年)
有限会社山田製作所に名称変更
平成24年(2012年)
ISO9001:2008 認証取得
平成25年(2013年)
デジタルマーケティング支援事業を開始
平成29年(2017年)
電装品製造部門社屋増設
令和元年(2019年)
設備機械の整備
社内環境整備(ペーパーレス化着手・LDEライト導入・消雪パイプ取り付け)
「MFBM Supplier Award 2022」受賞について
去る、2023年1月30日(月)、富山県富山市内にて、三菱ふそうバス製造様の2023年度サプライヤーズミーティングならびに、「MFBM Supplier Award 2022」が開催されました。
当社は、「MFBM Supplier Award 2022」において、生産体制が安定し部品供給における遅延などが発生していないことが大きく評価され、表彰されることとなりました。
設立から45年の間、経営理念である「お客様から感謝されるものづくり」のもと、お客様にとっての価値ある製品の提供と品質向上に貢献してまいりました。
今後も顧客感動実現のために、更なる発展と成長を果たしてまいります。

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住所
〒930-0275 富山県中新川郡立山町利田2360-1
電話番号
076-464-1150

